当コンソーシアムの役割に沿った事業や取組を、多機関との協働をすすめながら、新たな学びの場を創出し、各校の目指す「社会に開かれた教育課程」が実現できるよう支援の取組をすすめています。
今年度も、多機関との連携をすすめるとともに、連携の幅を拡げて、これまでの事業、取組をブラッシュアップし、市立高校各校での教育活動、キャリア教育、探究活動の取組・実践がさらに深めることができるよう、さまざまな形で支援したいと考えています。
令和5年度は、市立高校等から10数件のニーズやオファーをいただき、外部と学校の橋渡しを行っています。
高等学校コンソーシアム京都主催、京都市教育委員会、京都市立高等学校校長会後援で、8月4日「株式会社堀場テクノサービス」、8月24日「独立行政法人京都市産業技術研究所」訪問を開催しました。
京都市立高校生と教職員を対象に、京都を中心に活躍されている方や企業、研究所などを訪問し、施設見学やディスカッション、ワークショップ等を通して、高校生が普段の教育活動で行われている探究的な学びが将来に役立つことに気づき、自分らしい在り方、生き方、働き方を考えるきっかけとし、また、教職員も京都の企業や研究者、技術者を知り、教職員としてのキャリアアップにつなげるための支援として実施しました。
京都市立高校生12名が参加。会社紹介、分析室など施設見学、マイクロプラスチックを可視化する「ぷらウォッチ」の分析体験、研究者、技術者とのディスカッションというスケジュールで開催しました。
会社紹介では、担当の方が、スライドを使って、高校生に理解しやすいように説明してくださいました。施設見学では、多くの分析器や分析装置の説明を受けました。生徒からも質問が出て、それに対しても分かりやすく答えてくださいました。
マイクロプラスチックを可視化する学習教材キット「ぷらウォッチ」の分析体験では、河川敷の砂や近くの公園の砂などを分析しました。赤く染まったマイクロプラスチックを観察することができました。身近なところにマイクロプラスチックがあることを体験しました。
研究者とのディスカッションでは、生徒4人に対して若手研究者が2人つき、研究の面白さや働くことなどについて意見交流していました。
大変充実した訪問となりました。
京都市立高校生6名が参加。研究所紹介、研究所見学、実際の実験などを見学しました。
100年の歴史がある京都市産業技術研究所の役割や実績などを開設していただき、デザイン、メッキ、染色の研究室を見学しました。各研究分野で生徒たちはたくさんの質問を出していました。
最初に「デザイン」(工芸・漆分野)を見学しました。漆を中心とした工芸品などのデザインや研究開発を行っています。3Dプリンターを活用しながら、高価な工芸品を身近なものにして手にできるような企画、提案をしています。
次に「めっき」(表面処理分野)を見学しました。金属が錆びないようにするためのめっきの実演を見学しました。楕円形の小さな金属に生徒が絵を描き、それをめっき加工しました。初めての体験に感動していました。
三つめは「染色」(色染分野)を見学しました。細かな過程を要する西陣や京友禅のお話から、洋装にも使われているプリントのお話など多方面から染色について学びました。実際に型友禅の工程も見学しました。また、フイルムや皮、財布、スマホカバーなども染めているという身近なお話も聞きました。
工芸の魅力と未来への可能性を知るとても有意義な機会となりました。
インターンシップなどの事業は、高校生が実際に職場での体験を通して得られる喜びや厳しさを肌で感じることで、自らの将来設計や職業適性、将来の生き方・考え方について深く考え自立するきっかけになっています。結果として、高校卒業後の自らの目標を設定し主体的な進路選択につながり、そこへ向けての学習活動に対するモチベーションの向上に寄与しています。具体的には、高等学校で学習してきた知識や技術が、実際の職場でどのように役立つのかを体感するとともに職業人に必要な責任感・規範意識を学び、挨拶や言葉遣いなどの、社会人としての基本的なマナーを実践する場となっています。さらには、社会人との関わりを通して、人間関係の構築と協調性の大切さを知り、仕事をしていくうえで、世代を越えたコミュニケーション能力がいかに重要であるかを実体験できる機会にもなっています。
当コンソーシアムでは、実施校との連携のもと、インターンシップ生の受入先企業を積極的に訪問して、インターンシップ時の課題やご意見などを聞き取るなどの情報交換を行っています。今後も関係団体などのご協力を得て、受入先企業の拡充とインターンシップの充実を図ります。
平成15年から継続している京都洛南ライオンズクラブとの連携事業「Joint S&E Forum」は、高校生・中学生(Student)と京都洛南ライオンズクラブメンバーの起業家・経営者(Executive)とが「人生、未来、いきいき語ろう」を主題に生徒発表やディスカッションなどを行い、お互いを啓発し合うイベントです。
令和5年度第21回「Joint S&E Forum」は、11月18日(土)に、京都リサーチパーク(KRP)で開催しました。
日時 | 令和5年11月18日(土) 9:30~15:00 |
場所 | 京都リサーチパーク(KRP) |
主催 | 京都洛南ライオンズクラブ |
共催 | 高等学校コンソーシアム京都 |
プログラム | 高校生・中学生の発表、講評、グループディスカッション、グループ発表など |
参加校および発表テーマ |
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高等学校コンソーシアム京都は、これまでの産学公連携の財産と先見性を発揮し、これからの高校教育に必要とされる高等学校の外部連携事業をより充実させるため、塔南高等学校学校運営協議会発足時(平成31年3月)より学校運営協議会オブザーバーとして参画しています。
また、令和元年度より、同校のキャリア教育プログラムである「未来デザインプログラム」の企画・立案の段階から関わり、高校と地域企業をつなぎ高校生の学びの場を創出しています。
高等学校コンソーシアム京都の事務局長が、京都高大連携研究協議会の運営委員として参画し、共催事業を開催するなど大学と市立高等学校の間での高大連携事業の内容の充実に積極的に協力しています。
京都市立高校「総合的な探究の時間」研究会に参画し、各校の総合的な探究の時間の現状や課題、研究会の方向性やニーズを把握しながら、研究会の活動が充実、活性化するよう、市立高校全体の探究活動への支援を行っています。
令和3年度より、高等学校コンソーシアム京都独自のデータベース「コンソ・ニーズタンク」を創設し、企業、NPO、起業家、大学などの情報を集積しています。 「コンソ・ニーズタンク」のデータを市立高校の教職員などが自校の教育活動に手軽に活用できるようなシステムを構築しています。 また、教職員向けだけではなく、高校生向けの「コンソ・ニーズタンク(京都市立高校生版)」も創設しています。データを少しずつ増やして、充実させていきます。